美と健康は歯で創られる~令和編~ ①

第1回 歯と人生 その1

 歯があることで、生きていくために食物を咀嚼し、飲み込むことができるようになります。歯は発音や構音の機能の一部を担い、会話等のコミュニケーションを支援してくれます。生命の維持という目的以外にもQOL(生活の質)の観点から、歯を含む口腔の健康がいかに人生において大切かは疑う余地がないのではないでしょうか。

 さて、そのように大事な歯ですが、日本人が歯を失う原因の第1位は歯周病(約4割)、第2位はむし歯(約3割)、第3位は破折(約1割)という調査結果があります。近年、健康長寿への関心が高まると共に、歯科疾患と様々な全身疾患との関連性も科学的根拠をもって明らかになってきました。中でも歯を失う原因で第1位を占める歯周病と、糖尿病、肺炎、狭心症、心筋梗塞、認知症等との関係は高齢社会で注目を集めています。

 一方、明眸皓歯という語があるように、容貌を構成する要素としても歯はとても大切です。お勧めするわけではありませんが、例えば、歯を見せて笑っている美男美女の写真がありましたら、その歯のほんの一部でもマジックで色付けしてみてください。きっとご理解いただけることと思います。

 美と健康は歯で創られます。この機会に、健康とQOLを担保するべく、歯についてもっと知識を深めてみませんか?

(次号に続く)

*本稿は一般社団法人日本内部監査協会の「月刊 監査研究」2014年4月〜2015年3月号に連載された、ひとみデンタルクリニックの歯科医師、権藤ひとみ著、「美と健康は歯で創られる」を編集、加筆したものです。©Hitomi Gondo